九州地方で選ばれた66人の中学生3年生を対象に開催されたTreasure 19 オール九州バスケットボールキャンプにコーチ・トレーナーとして関わらせていただき、平成最後の日、そして令和最初の2日間を長崎で過ごしてきました。
とんでもない熱量をもったリーダーの元に、同じ熱を持った個が終結した時に生まれる力をひしひしと感じ、また子供達の持つ可能性の大きさを再確認した3日間でした。
バスケットボールのキャンプに、身体の専門家を呼び、バスケそのものと同じ程の重点を置く。アスリートとして最前線を走り身体の重要性を理解しているリーダーだからこそ生まれたアイデアであり、これが今後のスタンダードになっていく事は、基本的な動作の獲得よりも特異的なスキルの獲得が先行している現状に歯止めをかける上でも非常に大きな意味を持つと思います。
僕は初日に6つあるステーションの1つを担当し、2日目は60分x2グループというまとまった時間を割いてもらってウエイトトレーニングをする上で必ず習得しておくべきHip Hingeの動きや、選手が今後最も高い頻度で行っていくエクササイズの一つであろう腕立て伏せのフォームから、最も動作エラーが起こりやすい呼吸についてなど指導させていただきました。
理論やテクニックをただ教えるのではなく、リーダーが掲げた今キャンプのテーマの一つである「自助力」を養う上で必要不可欠だと僕が考える「自分の身体を知る」という事を念頭に、一人一人の気づきを大切にすることを心掛けました。
トレーニング指導だけではなくセミナーの時間も確保していただき、熱中症の予防と対処について選手、保護者、指導者に話をさせて頂きました。バスケットボールに直接関係するトピックを期待していた参加者にもその重要性を知って聞き入ってもらえるように、構成や話し方を工夫したつもりです。
招待された中学3年生達の技術の高さには驚かされました。それと同時にその高い技術と不釣り合いな基本動作の未熟さにも、です。このギャップを埋める事が、ユースアスリートの怪我を予防し、さらなる技術の向上に繋がると信じています。この重要性が少しでも伝わるように努力はしましたが、中学生にはまだまだ実感が難しいのも現実であり、実感しても実践する環境をコントロールする事は難しいです。だからこそ指導者を中心とする大人が、特異なスキルに特化したバスケ選手ではなく、自分の身体を効率よく安全に操作できるアスリートを育てるという意識を持つことが大切です。
また、リーダーの大神さんが最後の挨拶で伝えたように、バスケットは人生の一部に過ぎず、食事、睡眠、勉強、そして遊ぶことも大切にして、自分の人生を自分自身で助けながら切り開いていける力を育んでいってほしいと思います。
この素晴らしいキャンプを計画・実現させてくださった関係者、長崎県バスケットボール協会、そして松園尚己記念財団の皆さま、ありがとうございました。
コーチ・トレーナー陣の皆、刺激に溢れた3日間をありがとうございました。身体がついていってくれるか心配な位にモチベーションが上がっています。
また集まりましょう。
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