NBAにおける睡眠事情に関するESPNの記事を軽くまとめました。
NBAのスケジュール
試合間隔: 2.07日に1試合
Back to back(連戦)が13.3セット(2018ー19シーズン)
3 game in 4 nights stretch-このスケジュールが遠征で行われると、記事内のストーリーで紹介されているように10pmに試合が終わり、空港に移動、次の遠征地に着くのが2am、ホテルの部屋に入るのが3am、そしてその日の夜にプレーするケースも(余談ですが、スタッフは荷物搬入などがあるので選手の時間+1時間は稼働。荷物搬入中に日が昇り始めたこともあります)
NBAの移動
6ヶ月間でレギュラーシーズン82試合を行うと、平均して50,000マイル( 80,000キロ)を移動(地球2周分、日本列島を約27往復できる距離)
ここに時差を生む複数のタイムゾーンを行き来する要素が加わる事によって、より過酷なものに
このようなスケジュールの中で、NBA選手がどのように睡眠時間を確保したり質を高めようとしているかが、専門家のコメントなどをふくめて紹介されています。専門家達によるコメントは記者を介しているものなので端折ります。睡眠不足とテストステロン量の低下と、それに伴う傷害発生の変化に関する観察報告なども本文では記述されています。
睡眠の大切さ
Hassan Whitesideは、睡眠は「キャリアベストの試合かヒドいプレーかの差を生む」と表現し、Vince Carterは42歳でも現役を続ける鍵は、睡眠と語る(“Sleep. It’s the No. 1 thing for me”)
慢性的な睡眠不足によるパフォーマンスのみならず健康への悪影響に関しては多くの研究報告がなされており、NBAの選手会はこのような情報を元に、リーグに対してスケジュールの変更や義務的なオフの日を増やす要望などを伝えているとの事
NBAの努力
連戦の数は5年連続で少なくなっており(来シーズンは12.4セットに)、午後10時半の全米放送ゲームの数を減らし、5日間で4試合というスケジュールを廃止するなどの対応。
その問題に対して、選手個人の取り組みが紹介されています。
Lebron James
自分の身体に億単位の投資をしている事はよく知られている
ホテルの部屋は20-21℃に設定
電子機器はベッドに入る30ー45分前には消す
睡眠を促す心地よい音(木の葉に雨が当たる音)を出す睡眠用のアプリを使用
理想的なレム睡眠ほど大切なものはないと公言
Andre Iguodala
睡眠の専門家と協力し始めた2013年まで、10年近く慢性的な睡眠不足に苛まれていた
夜の睡眠を妨げる長い昼寝をやめた
寝室では携帯を飛行機モードに設定、テレビも消す
CJ McCollum
高校時代から昼寝の習慣を始め、9時間の合計睡眠時間を確保するよう努めている
NBAでは、出来るだけ早く床に着く
“Sleep is everything(睡眠が全て)”と表現
Kent Bazemore
遠征中は電子機器を使わない、ブラックアウト(完全遮光)カーテンを使用
7時間の睡眠確保がゴール
Tobias Harris
オフの日は、9時間の睡眠を確保するために、午後6時までに必要なことは全て終わらせて、午後8時半には床に着く
試合の日は、試合終了のブザーが鳴った瞬間から休養のプロセスを開始。ロッカールームで呼吸と心拍数のモニターをし、バランスが取れるまで深呼吸
脳波計を用いた約45分のトレーニングセッションを日常的に行う。このNeurofeedbackと呼ばれる手法の有効性は専門家の間で意見が分かれるが、Harrisは疲労対策として信じている。
The biggest issue without a solution
上記のようなリーグ、個人個人、記事内にはないチームの取り組みはあれど、選手の睡眠不足は未だに「解決策の無い一番大きな問題」と表現されています。
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アスリートに限らず、日本人の平均睡眠時間は世界的に見ても短いと報告されています。慢性的な睡眠不足が健康に与える悪影響は多数報告されており、その状態が自分にとっての当たり前にならないように気をつける必要があります。僕自身、今の睡眠時間で通常運行が可能な気がしていますが、もう一度生活を見直そうと思います。
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